日本編 〜宮古島のはちみつを求めて〜

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国産のはちみつは、取り巻く環境の悪化や養蜂家さんの高齢化などにより、年々採れる量が減っています。
「もっと国産のおいしいはちみつを世の中に広め、養蜂家さんを応援したい。」
私たちは、その思いを日々募らせていました。ちょうどそんなとき、沖縄県宮古島から一通のメールが届きました。
白い砂浜と青い海、マリンレジャーやプロ野球のキャンプ地としても有名な宮古島。
その常夏の島、宮古島にトロピカルな味わいのはちみつがあるとのこと。
はちみつを試食してみると、確かにマンゴーのようなフルーティな味わいで「トロピカル」という表現がぴったり。
「これは是非ラベイユで紹介させていただきたい!」ということで、2013年6月、宮古島へ行って来ました。
宮古島について
宮古島は北緯24~25度 東経125~126度、
沖縄本島から南西に約300km、東京から約2000kmの場所にあります。
大小6つの島(宮古島、池間島、来間島、伊良部島、下地島、大神島)から構成される宮古島市の中のひとつの島です。

<宮古島市>
総面積:204km2
人口:約55,000人
気候:亜熱帯海洋性気候
年平均気温:摂氏23度
年平均湿度:約80%

島全体がおおむね平坦で、山岳部や大きな河川が少なく、低い台地状を呈しています。年間を通して温暖な気候のため、トライアスロンの大会やプロ野球のキャンプなどが行われることでも有名です。
周りを海で囲まれているため、観光地としては「東平安名崎」「西平安名崎」「池間大橋」など海がきれいに見える景勝地が有名ですが、通常の車道から一本入るだけで美しい白浜と海を堪能することができます。
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東平安名崎(ひがしへんなざき)
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池間大橋
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来間(くりま)大橋

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宮古島、上陸!
私たちが宮古島を訪れたのは、6月。梅雨の時期のため、天候が心配でしたが、東京から沖縄那覇空港を経て4時間のフライトを終え、到着すると外は快晴。幸先のよいスタートです。
宮古島空港到着。早速、南国の雰囲気に胸が高まります。
道中、島の中はサトウキビ畑など緑が多く広がり、南国ならではの珍しい木々や果樹を見つけることができました。
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南国の雰囲気
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背丈より高い、サトウキビ畑
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アダンの木

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バナナの木!
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パイナップルも!
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マンゴー園には収穫前のマンゴーがずらり

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宮古島空港。
宮古島養蜂場を訪ねる
宮古島養蜂場は、宮古島の中心部平良(たいら)地区にあります。迎えてくれたのは、養蜂家の佐渡山さんとご家族のみなさん。佐渡山さんは現在も現役で活動している陶芸家さんでもあります。佐渡山さんと宮古島のはちみつとの出会いは15年前。はじめて食べたとき、子供のころ食べたはちみつの味がそのまま感じられて、懐かしさに思わず涙がこぼれたと言います。
宮古島は年中温暖な気候なので、養蜂には向いているのでは?というのが、私たちの事前の予測でした。しかしながらお話を伺うと、強い直射日光と度重なる台風の被害に苦労されているとのこと。確かにこの日も6月だというのに気温は35度、湿度80%。すでに真夏の気候でした。台風は、沖縄では接近または直撃をさけられないことが多いため、ひどい時は巣箱がまるごと飛ばされてしまって、巣が全滅…ということがあるそうです。
佐渡山さんの養蜂場は宮古島中心部に5箇所。巣箱は天敵であるアリやゴキブリが多い山の中や、農薬の危険がある畑の近くを避けて置いています。巣箱には断熱用のペンキを塗り、巣箱の周りには背の高い植物を植えて巣箱の熱が高くなりすぎないように工夫をしてあります。主に日よけに使われていたのはヒメヒマワリという、ヒマワリに似たキク科の花。この花からも蜜が採れるそうです。
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ヒメヒマワリの花
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ヒメヒマワリの茂みをぬけると…
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養蜂場が広がる

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高温多湿の中での作業は重労働です
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暑さの中でも元気なミツバチたち
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養蜂家 佐渡山さん image
灼熱の太陽がふりそそぐ
宮古島のはちみつ
宮古島のはちみつは、季節ごとに咲く様々な花から採れる百花蜜。現地では、様々な花にミツバチが群がる様子が見られます。
シロバナセンダンソウは宮古島のいたるところに咲く、白く小さな花。アトピーや高血圧によいとされる薬草としても有名で、お茶や化粧水などに使われることもあります。繁殖力の高い植物で、人の衣服などに付くと取れにくい小さな種は、そのまま遠 くまで運ばれていきます。
宮古島のはちみつは、マンゴーのようにフルーティでトロピカルな味わいです。ほのかな酸味があり、ヨーグルトや紅茶によくあいます。宮古島名産のマンゴーやドラゴンフルーツにかけて食べるのもおすすめです。
常夏の宮古島では、春だけでなく、秋にも採蜜をすることができます。春に採った蜜はフルーティでやさしい味わい。秋になると少し色味が深くなり、味わいには力強さが感じられます。
ちなみに養蜂家佐渡山さんのご家族では、採蜜が春のものと秋のものでは好みが分かれるそうです。
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マンゴーと白玉、宮古島のはちみつ添えプチトマトのマリナード

宮古島ならではのはちみつレシピ
養蜂場見学の後、佐渡山さんの工房で宮古島のはちみつを使った“ゴーヤジャム”と“黒酢ドリンク”をいただきました。ゴーヤジャムは、熟れて黄色くなったゴーヤを使用して作るそうで、苦味も少なく、クセになる味。黒酢ドリンクは酢の酸味をはちみつでやわらげて飲みやすくしてありますが、それでも黒酢の独特な味わいがしっかり残った体にききそうな味。どちらもシンプルながら、暑い宮古島の夏を乗り切るために考えられたレシピだなぁと納得しました。
宮古島の食事
養蜂場見学の合間に、宮古島ならではの食事をいただきました。手前左からジューシー(まぜごはん)、漬物、ソーキそば、奥左からもずくの酢の物、大根の煮物。メインのソーキそばは、あばら骨がついた豚肉を煮込んだもの(ソーキ)を、小麦粉で作られた沖縄そばのうえにのせたもの。お好みで“こーれぐーす”という泡盛にとうがらしを漬けた辛味調味料をかけていただきます。どれも出汁がベースとなっているやさしい味でした。沖縄が長寿の県として有名なのも、こういった日本人の体にあう、やさしい食事のおかげかもしれません。
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シロバナセンダンソウ image
ブーゲンビリア。街中でみることができる。 image
ハイビスカス image
ゴーヤジャム image
黒酢ドリンク image 沖縄・宮古島ならではの食事
旅を終えて
はちみつは、採れる花や場所によって味わいが変わる自然の産物。そうはいっても、宮古島で採れるはちみつが、こんなにも南国らしいトロピカルな味わいだということは、なかなか説明がつきません。強い陽射し、青い海と空、見たことのないような大きな木々やカラフルな魚、虫、鳥…その自然のすべての力が、なんらかの形でそこに関わっているように思えます。

高温多湿で台風も多く、決して養蜂に向いているとはいえない宮古島。ここでとれたはちみつの、唯一無二の味わいをより多くの方に知っていただきたいと思います。
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